時刻は、元来地球と太陽の位置関係の定常的な変化をもとにする概念である。

しかしながら地球の自転公転にはフラつきがある。また月と地球の位置関係に起因する潮汐運動等により、地球の自転速度は徐々に遅くなっている。
これらから、不変の時の刻みを得るためには、天体運動とは別の時刻の系を定める必要がある。
まず天体の運動に法った時刻の系があり、そして絶対な刻みが不変な時刻の系がある。
現在ではこの両者の妥協を図った協定世界時が、日常使用されている。

—- 天体の運動に法った時刻の系 —————-

  1. 世界時 UT
    地球の自転に法った時刻の系。 極運動を補正したものをUT1、季節変動を補正したものをUT2という。
    世界協定時UTCと世界時UTは異なる系であることに留意のこと。
  2. 地球時 TT(TDT)
  3. 地球時 TT(TDT)
  4. 地理座標系時 TCG
  5. 重心座標系時 TCB

—- 刻みが不変な時刻の系 ———————-

  1. 国際原子時 TAI
    セシウム原子時計による時刻の系。 地球の自転速度のふらつき等の影響は受けない。
  2. GPS時
    実質的にはTAIと同じだが、TAIから19秒遅れている。 GPS時は1980年1月6日(日)午前0時を基準としており、この時点でのTAIとの差が19秒であった。 従って、TAIとGPS時の差19秒は不変である。

—- 前二者の妥協を取った時刻の系 ————–

  1. 協定世界時 UTC
    以前グリニジ(一般的にはグリニッジ)標準時と呼ばれていたものに相当し、慣用的に現在でもそのように呼ばれることが少なくない。 地球の自転は徐々に遅くなっているため、TAIとの間で調整を行う。 1972年1月1日より両者の差は整数秒で表現されることとなった。 現在はうるう秒を挿入することで、TAIとUTCの間の調整を行っている。
    うるう秒は厳密に1秒単位であり、IERS(THE INTERNATIONAL EARTH ROTATION SERVICE)によって決定される。 うるう秒が挿入されるタイミングは、第一候補が12月か6月の末日、第二候補が3月か9月の末日、第三候補が任意の月の末日のそれぞれ最終秒の後とされていた。現在では、第一候補のみが指定される。
    うるう秒は12月か6月の末日23時59分60秒(UTC)であるが、一般的にはズレが発生する元旦か7月1日午前0時と称されることが多い。
    うるう秒は2005年12月31日23時59分60秒(UTC)、そして2008年12月31日23時59分60秒(UTC)として挿入されたのがもっとも最近のもので、現在のUTCはGPS時に対して15秒遅れていることになる。 TAIとGPS時の差19秒は不変なため、TAIはUTCより34秒先行していることになる。
    なお国際度量衡局がフランス中心のため、UTCもフランス語綴りの頭文字であり、ときおり用いられる英語表記の”Universal Time, Coordinated”は、やや無理やりの感もある。
  2. 日本標準時 JST
    我国のローカルタイムで、UTCに対して正確に9時間先行する。 夏時間は設定されていないため、UTCとの差は不変である。


【初稿は1996年12月FGPS6@Nifty】

国際地球回転観測事業 IERS
国際地球回転観測事業広報センター(米海軍)
国際度量衡局 BIPM
日本標準時プロジェクト うるう秒実施日一覧
日本標準時プロジェクト 原子時と「うるう秒」
必見PDFファイル。お勧め。
はまぎんこども宇宙科学館 閏秒のページ
地球の自転がおそくなっている!
http://astro.ysc.go.jp/leapsec.html
天体運行面からのわかり易い解説は、子供でなくてもお勧め。